第111回
「沖縄の基地政策―これでいいのか」

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  長野禮子 

 沖縄は普天間基地の移転問題を始め、米軍のヘリコプター墜落や部品の落下など、様々な問題が山積している。基地政策を考える上で大事なことは、日本は『政策』、アメリカは『運用』、沖縄は『政治』の視点から、これらをどのように結びつけるかについて検討することである。米政府も基地と自治体と住民との交流を深め、普天間に駐留する米海兵隊がどのように活動し、沖縄や日本の安全保障に貢献しているかについて可能な限り開示して行くことを試みている。活動の透明性が進むことで、住民の基地への理解が深まり、不安が払拭されてくると期待したい。特に米国(ホワイトハウス)は事実論と感情論の乖離を理解し、基地政策に取り組んで行く必要があるだろう。
 また、住民との信頼関係を築くには長い時間がかかる。米軍の規則では5年以上の連続した海外勤務ができないことになっているが、この規則を在沖米軍に一律に適用することは妥当ではない。頻繁に担当者が交代するのではいつまで経っても基地の重要性を理解し合える日は来ない。
 日本には、海兵隊に相当する軍種がなく、現在陸上自衛隊が担当。在普天間基地海兵隊のカウンターパートは陸自西部方面隊である。このため、日米間で調整等を行う際の物理的障壁となることは否めない。因みに、陸海空軍については、いずれの司令部も関東地区に置かれスムーズな調整が可能である。
 止むことを知らない中国の挑発や北朝鮮の核・ミサイル問題を突き付けられている今、こうした指揮系統の問題は国家の根幹を揺るがしかねない大問題へと発展する可能性を秘めている。直ちに再考されるべきであろう、とエルドリッヂ氏は指摘する。

講 師: ロバートD・エルドリッヂ 氏(JFSS上席研究員・政治学博士・元在沖縄海兵隊政務外交部次長)
日 時: 平成29年12月8日(金)15:30~17:00