尖閣諸島問題で考えること

評議員    冨澤 暉

1. 離島そのものの意味を日本人がどう認識するのかが最大の問題。
   @  力か    A  利益か    B  価値か
   それらを政治家が国民に納得させることが大事

2. これは軍事の問題でも外交の問題でもなく、それらを包含した政治の問題。
   但し、軍事なしの外交も政治もないことは良く認識しなければならない。

3. 現在、日本の防衛問題として南西諸島防衛が話題になっているが、南西諸島防衛と尖閣問題とは全く別問題である。

4. 尖閣問題は防衛問題ではなく領域警備問題(グレイゾーン問題)である。

5. 領域警備問題では武力行使をしないのが原則であるが、最悪の場合に武力行使が許されないと領域警備任務は全うできない。

6. 国連海洋法条約(82年)によれば、領海内での、軍艦を除くあらゆる外国船の無害通行権が認められているが、その場合でも「沿岸国の平和または安全を害しないかぎり」との条件が付いており、「沿岸国は無害でない通航を防止するためにその領海内で必要な措置をとることができる」とされている。

7. 6項をうけて中国の「領海及び隣接区域法」では第7条3:中華人民共和国政府は、領海に対する非無害通航を防止し、及び差し止めるため、すべての必要な措置を講ずる権利を有する。
と定めているが、日本にはこのような領海侵犯にかんする法律・規則が全くない。入国管理法と漁業法だけが適用されている。


8. 北方4島、竹島、尖閣の全てに対応できる一貫した方策は、それぞれに条件が違うので成立しない。国際司法裁判における「義務的管轄権」受諾要請は一案であるが、安保理常任理事国中、受諾宣言をしているのが英国一国のみ、国連加盟国193か国中では67カ国のみという現状から、極めて難しい。

9. @ 日本人が領土に関心を持つようになったこと、A 日本人企業家が企業進出するに当たりこの種のカントリーリスクというものを実感したこと。の二点は良い勉強になったのではないだろうか。

10. 外交的には、日本と中国が損をして米国と台湾がポイントを稼いだということになる。

11. 戦争にはならないが、無血占領されることが一番の問題、そのためにも領域警備法の制定が急務。中国は三戦(法戦・宣伝戦・心理戦)でくる。日本も三戦で応じなければならない。

以上       

(2012年10月1日)


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