北朝鮮3次核実験の背景と展望
  

                                                                   研究員拓殖大学国際開発研究所

                                                        高永

   

 2月12日の北朝鮮による第3次核実験のスケール(規模)は6〜7キロトンと推定される。
  これは2006年に行った第1回の核実験が1キロトン、さらに2009年の第2回核実験の2〜6キロトンと比べて爆発力は極めて強化された(広島型のウラン原爆は15キロトン、長崎型のプルトニウム原爆は21キロトン)。
 北が実験を強行した背景は、従来の「瀬戸際外交」の延長線上にある。
 すなわち「挑発→対話再開→対話決裂→挑発」と言うプロセスの中で今は挑発段階であり、米朝対話を促すために挑発は依然として繰り返されると考える。
 その狙いとしては、第1に、故金正日総書記の遺言・遺訓を実践したもので、「核・長距離ミサイル・生物化学兵器を絶えず発展、十分保有することが朝鮮半島の平和を維持する道である」とした彼らなりの論理だ。
  第2は、金正恩後継体制の強化により国内を結束させ、国民団結を呼びかけるといった国威発揚だ。
  第3は、米国、日本、韓国とのそれぞれの交渉で有利なスタンスを取る上で相乗効果を狙っている。
  今後の対応だが、国連安保理(韓国が議長国)の制裁強化が求められるが、米韓軍による北の核施設に対するピンポイント攻撃は中国、ロシアを刺激する恐れがあり踏み切れないだろう。シリアの内戦で6万人が死亡しても中国、ロシアの反対で国連が機能していないように、国連議長の非難声明と経済制裁強化の次元にとどまるのではないか。
 ソウルは北朝鮮の砲撃射程にあると同時に東京はノドン・ミサイルの射程に置かれている。
  北朝鮮はいざとなればソウルと東京が火の海になると恫喝する。
  文字通りソウルと東京は北朝鮮の人質状態であるのが事実である。
  だから北朝鮮はやり放題、言い放題ではないか。
  相次ぐ北朝鮮の核脅威に対して一番、手っ取り早い方策は韓国も日本も自主防衛政策を前向きで議論するのが望ましいと思われる。
  北朝鮮の核実験が繰り返されることによって韓国と日本の自主防衛政策の必要性と正当性はどんどん上がると思われる。
  それに加えて韓国と日本は「日米同盟」と「米韓同盟」関係を更に強化すると同時にミサイル防衛システムを強化すべきである。

 
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