日本はイスラム国テロリストの脅しに絶対に屈してはならない
(その1

政策提言委員・軍事アナリスト  西村金一

orita 今日、2015年1月20日、衝撃的な映像がインターネットで流れてきた。黒い服で身をまとったイスラム国と見られるテロリストが左手にナイフを持ち、日本人2人を身動きできないように縛り、「日本が72時間以内に2億ドル(約236億円)を支払わなければ、殺害された米国人のように残酷に殺す」と脅している。
 多くの日本人は、この映像を見て、怒りに震え、愕然としただろう。人質の身を案じながらも心の奥底から「テロリストたちの脅しに絶対に屈してはならない」と思っているに違いない。
 日本人の多くは、これまで世界で起こっているテロの攻撃を見ても、「遠い中東やアフリカの国で起こっていることで、我々日本人には関係ない。このことで我々日本人の命が狙われることはない」と思っていただろう。今日、私はテレビを見て、あり得ないと思われていたことが現実に起こったことに大きな衝撃を受けている。これまでテロリストの攻撃を報道で見て感じてきたものとは異なり、心の奥底を大きく揺さぶられた。
 私は、人命は大事だと思う。自分がテロリスト達に縛られてナイフを突きつけられていたら、自分の命を助けてくれと祈るだろう。人の命は地球よりも重いと言って、テロリスト達の要求に屈してしまった日本の総理大臣も過去にはいた。
 しかし、民主的な国家が、世界の平和を守るために、急激に拡大するイスラム国のテロリストやアルカイダの脅威に立ち向かっている今、テロリストの脅しに絶対に屈してはならない。日本が抜け道を探して、テロの脅しに少しでも妥協し屈してしまえば、日本は世界の笑いものになる。日本に対する信頼感が失われ、世界の平和に貢献してきた日本の努力は水の泡に期す。そして、日本人がこれまで培ってきた日本人の魂や武士道精神、世界の人々に信頼されてきた日本の尊厳までも失われることになるだろう。もし、そういうことになれば、日本は世界の人々から数十年あるいはそれ以上の期間、テロの脅しに屈した国として侮蔑されることになろう。世界の平和建設をリードする国とはもはや言えなくなる。日本人が個人で世界を旅しても、「私は日本人だ」と胸を張れなくなる。世界の日陰者として歩まなければならなくなるのだ。
 安倍総理にお願いしたい。イスラム国のテロの脅しに絶対に屈しないことを。そしてこれまで日本との信頼関係を築いてきたイスラム圏の人々に、「日本人に残酷なテロをするな。やってしまうとイスラム圏の発展と平和が遠のいてしまう」と発信して欲しい。
 これが日本人の心、魂だと思う。




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