これまでのテロ襲撃事件とその対策
―図上研究を行い実効性ある対策を構築することが重要―

政策提言委員・軍事アナリスト  西村金一

 2015年2月1日、イスラム国のテロリストが「今後見つける日本人を殺害し続けるだろう」と脅迫した。海外の日本企業、日本人学校、日本人に、アル・カーイダやイスラム国などの武装勢力によるテロの脅威が高まっている。
 海外の日本企業や日本人学校、海外に出かける日本人が、自らテロへの対策を採らなければならなくなってきている。具体的なテロ対策案を導き出す必要に迫られている。これを可能にするのが図上研究だ。具体的には、テロの襲撃を見積り、その対応を考え、それらを図上で戦わせて、最善の対策を考案するものである。また、過去のテロ事案も参考にして、図上研究を実施することが、必須であると考える。この手法は、戦術戦闘において、自衛隊や米軍でも用いられている。図上研究を実施することによって、現実的で、適切な対策案を導きだせること、それに加えて実際にテロ攻撃を受けた時に、関係者が連携して最適な行動を実行することが可能となる。
 テロ対策は抑止することが最も重要である。抑止するためには、「対策をとっているぞ」と見せつけることが必要だ。テロは遠い外国のことであって自分のところには関係ないと思いがちですが、そうではないと認識しなければならない。
 テロ対策を実効性のあるものにするには、@テロの最新情報を収集する、A図上研究を実施する、B対策を案出する、C訓練を実施する、D新たな問題点の発見、そして@Aに戻って再検討することが必要である。





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