1 民主党は自民党、公明党に協力を求めるべきである。
今回の未曾有の災害に当たって、与党である民主党の対応は如何にもまずいといわざるをえない。依然としてパフォーマンスを重視している姿勢のように思われる。管首相が原発を視察したのもその典型である。
自民党、公明党は与党として阪神淡路大震災を経験した。その貴重な経験による災害対策のノウハウをもっている。これを今回の災害に当たって生かさない手はないのである。
それには与党民主党から自民党、公明党に対して、災害対策本部に入って共に対策に取り組んでほしいとの要請がなければならない。
パフォーマンス重視の民主党の体質からすると、自分たちだけで事を解決し、かつて支持率低迷に喘いでいたアメリカのブッシュ政権が9.11の同時多発テロをきっかけに支持を高めたことに習って、今回の災害をうまく処理することにより政権の浮上を狙っているのではないかとの疑念がある。だとしたらとんでもないことである。そうではないということを証明する意味もあって、民主党が自民党、公明党に災害対策本部に参加してほしいと要請すべきであると思う。
それが無理と判断すれば、自民党、公明党の方から民主党に押しかけていって一緒に行動することを提案すべきであると思う。こうすると、政界再編成につながるといったいろいろな思惑が取りださされることも予想されるが、まさに国難に遭遇しているのであるから、そんな雑音は一切無視して推進すべきであると思う。
2 災害対策本部を2つに分割すべきである
今回の災害は地震に関係する災害と原発の事故による災害の二つが重なっている。
この二つの災害に対応するのに一つの対策本部では対応仕切れないのは当然である。
政府の対応がいかにも右往左往していることがわかる。今の体制のままでは無理からぬことなのである。このことによって被害をうけているのは国民である。
国民の視点に立って迅速に対応するためにも、早急に対策本部を二つに分けて体制を整え直すことを提案したいと思う。
3 道路は命をつなぐ
とかく税金の無駄使いと悪者扱いされるきらいがあった道路であるが、今回の災害に当たって、いざと言う時にいかに道路が大切な役割を果たすかが証明されたことになった。特に舗装道路である。舗装された道路があれば、災害にあったとき、道路の機能を復活させることは比較的簡単であり、復活した道路を使って被災地に援助物資を送り届けることもできるし、被災者を救助するためにも大きな役割を果たすことができる。
物資の輸送が最大ネックになっていることを想起すれば、道路の大切さは明白である。
平時における使用頻度などを基準にして無駄と断じてしまう傾向があった。道路というものの役割を考慮すれば、非常時においてこそ意味があるのである。
いわゆる仕分け作業では、非常時における役割まで考慮に入れた議論がなされた痕跡は見受けられない。
このことはいわゆる公共事業全般にわたって指摘できる。このところ公共事業の予算を大幅に削減しているが、非常時における対応を考慮しているのかどうか、疑問である。
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公共事業はいわゆる建設国債を発行して進めればいい。非常時に備えるのは将来世代にも裨益するからである。一方、いわゆる赤字国債を発行して今の世代でこれを使ってしまうのは、まさに付けだけを将来世代にまわすことになる。民主党政権のつくった来年度の予算はまさに現世代のことにしか考えていないと思われる。高速道路無料化とか子供手当てとか農家の所得保障とか皆そうである。こんな予算を成立させてはならない。災害に見舞われたこの機会をとらえて、いわばドサクサ紛れで予算の成立を図ろうとする思惑が垣間見られるがとんでもないといわざるを得ない。当面必要な予算は暫定予算を組んで乗り越えその間を利用して、抜本的な予算の再編成を行うべきであろう。
いわゆる政治的判断とは非常時に機能するのは何かという判断である。この役割をはたすのは、まさに政治である。この際、このことを改めて思い起こさなければならない。
4 行政が機能しなければ何もできない
民主党政権は政治主導と称して官僚たたきを強めてきた。ところが今回のような災害に直面すると、いかに政治が無力かを思い知らされることになっている。行政が動かなければ何にも解決できない現実を民主党も思い知ったことであろう。
行政を動かすのは官僚である。政治がいかに声を荒げて命令しても官僚がその気になって動かなければ行政は動くものではないのである。この機会に民主党は政治主導の旗を降ろして官僚にわびを入れ、改めて政治と官僚との関係を修復することを提案したい。
5 非常時に使い物にならない携帯電話では話にならない
今回の大震災で被害に遭われた方々が例外なく不満を述べていることは、情報不足ということである。情報が入手できないこと、情報を発信できないことは、実際問題として大きな障害になることは勿論であるが、精神的にもいかに辛いことか。こういうときにこそ携帯電話が威力を発揮するはずではなかったか。
これだけ便利になり、びっくりするような機能を持つ機器ができているのに、なぜなのか不思議でならない。中継局の設備が足りなくなったということのようであるが、なぜ日頃からこういった面に対する設備投資をしてこなかったのか。機器の機能を改良するために、膨大な資金が使われていると思う。最先端の機材を使いこなすことはとても不可能と思われる。一部のマニアには喜ばれることかもしれないが、一般には不要な機能が多いのが現実であるから、携帯各社はもっと多くの資源を中継基地の整備拡充に投下すべきであったのではないか。
末端の製品の機能で競争するより、いざと言う時に如何に機能するかで競争してほしいものである。
6、総理大臣は自衛隊の最高司令官ではないか
自衛隊による放水に関して、報道によれば防衛省が災害対策本部からの要請を受けて検討しているというような対応をしているらしいが、自衛隊は最高司令官の指示で動くはずだから、対策本部の要請を受けて云々というプロセスを踏む必要などはないのではないか。
管首相には自衛隊の最高司令官としての自覚がないのではないか。仮に自覚があっても決断ができないのかもしれない。それにしても対応が後手後手のように思えてならない。原子炉に対する放水に関しても今頃になって各種の放水車がいろいろなところから集結して作業を始めようとしている。なぜもっと早くこういったアクションが起こせなかったのだろうか。
もっとも基本的な部分で東京電力の姿勢があったのではないかと推測している。つまり、何とか自分たちの手だけで問題解決したいという思惑である。ありとあらゆるところに協力、或いは助けを求めることを逡巡したのではないか。 |