2013年11月23日、中国が東シナ海における防空識別圏の設定を突如発表した。このことは日本をはじめとした東アジアの国々のみならず世界中の人々を騒然とさせている。
 繰り返し行われるこのような中国の挑発的な外交上の振る舞い、その文化的な背景とは何か?前号の拙稿では、米国の戦略家エドワード・ルトワックによる中国分析の解説を行い、中国の攻撃的・挑発的な「戦略文化」(strategic culture)の要因であり、かつその膨張する大戦略をやめられない理由を挙げた。それは、巨大国家ゆえの「自閉症」、歴史経験からくる「恨み」、漢民族の「戦略面における才能の欠如」、そして安定期を経て独自の利益や目標を追求する「各組織の振る舞い」である。本小論では、そのような中国の戦略文化に深く関わっている孫子の『兵法』による、特に大戦略レベルの中国戦略文化への影響と、現在欧米の中国研究家たちに認識されるようになった、その戦略文化の二面性について取り上げ、その攻撃的・挑発的な特徴と、中国とその関係国を巻き込む危険性について考察する。

続きをご覧になりたい方は...



ホームへ戻る