<講座>東アジア圏は何故混乱し続けるのか
政策提言委員・高知大学名誉教授 福地惇
fukuchiT 東アジア圏は昔も今も混乱している
  東アジア圏は、昔も今も混乱している。しかも、現今のシナ共産党、南北朝鮮からする我が国に対する様々な攻撃姿勢と侮蔑態度は国際世論なるものに後援されて自己増殖し続けるとしか思えない状況が長く続いている。
  彼等が高唱する歴史像は、我々には醜い妄想・幻覚としか受け取れない代物だが、国際世論が論拠とされている。国際社会の戦後レジームは、第2次世界大戦の敵対関係の構図、つまり戦勝国側の主張する「平和を愛する諸国民(連合国側)」対「邪悪なファシズム・軍国主義の日独」の構図が土台になっていて、これが現代の国際世論の実態なのだ。戦勝国側の主張に基づく歴史認識、領土問題、内政干渉は、シナ、朝鮮は便益利用者で、英米が本家である。小稿では、本家の問題は脇に置いて、攻撃的なシナ・朝鮮の対日姿勢の淵源や背景を考えてみたい。
 U 東アジア圏混乱の始まり
 19世紀における東アジア圏の最大の問題は、白人列強の古今未曾有の侵略・植民地支配という大脅威に直面して民族存亡への危機感を高め、その危機感には大いに温度差があったし、今もあると言うことだ。白人列強の世界征服の問題、実はこれは世界全体の大問題なのだが、本稿では東アジア圏の問題に的を絞る。
  対外政策の基本を鎖国に置いた江戸幕藩体制を世界の時代状況に合わないものだと言って開国通商を強要したのは、英米露仏の所謂白人先進列強だった。19世紀に入ると英仏露米はそれぞれに我が国の体制変革を求めつつあったが、1850年代初頭の米国東印度艦隊の江戸湾侵入という軍事圧力で開国・自由貿易を要求された衝撃が決定打となった。その衝撃で支配階層には大混乱が生じ、明治維新を結果した。我国は幕末動乱期の試行錯誤から国家の基本方針を一言で言えば「開国進取」に定めた。そして、文明開化・富国強兵・殖産興業・自由貿易が基本的政策課題になった。

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