【特別寄稿】

大使からの手紙
―From Brussels―
(その2)

駐ベルギー特命全権大使 坂場三男氏
sakaba  皆様こんにちは。前回、この手紙を書いた時は春先とは言え未だ冬の寒さが厳しく感じられましたが、今はすっかり初夏の暖かい気候になりました。ヨーロッパで生活していると6月から7月の初めにかけての時期が最も気候が良いように思います。「6月の花嫁」という言葉がありますが、野外で祝福される新婚カップルの姿はこの季節が最も幸せそうに見えますね。私が現在住んでいるブリュッセルの日本大使公邸も日本政府が購入する前の一時期は結婚披露宴会場として貸し出されていたようで、何人かのベルギー人の友人から息子・娘さんがこの建物で披露宴を開催した時の写真を見せてもらったことがあります。花が咲き誇った庭先でのツーショットが素敵でした。私のベルギー在勤も既に1年8ヵ月が過ぎており、果たしていつまで当地で大使としての仕事を続けられるのかと自問しています。年齢を重ねるとともに月日の経つのが早くて困りますね。
 ところで、去る5月と6月の2度に亘り、安倍総理がブリュッセルに来訪されました。在外に勤務する日本の大使にとって、総理大臣をお迎えするほど嬉しいことはありません。勿論、天皇陛下はじめ皇族の方々を公式にお迎えできれば最高ですが、そうした機会に恵まれることはめったになく、やはり来訪いただきたい要人の第1位は総理大臣ですね。その意味で安倍総理がわずか1ヵ月の間隔で2度も当地にお出でになられたというのは私にとって僥倖中の僥倖です。

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