【特集】第31回定例シンポジウム報告「台湾の現状と日米台の安全保障」

 第1部「日台の歴史と日台関係の現状」

≪報告≫ 「これからの日本と台湾の関係」

台湾独立建国聯盟日本本部委員長 王 明理氏
 皆様こんにちは。王明理と申します。大尊敬している平川先生の基調講演の後にお話をさせていただくということで、大変有難く思っております。

台湾は古来より中国の一部であったことはない
 私は台湾のことをお話する時に、落語の枕のように必ず話すことがあります。それは、歴史的に見ても国際法から見ても、台湾は中国の一部ではないということです。これは当たり前のことですが、いくら私たちがこのことを言っても、日本の方、世界の方は、そういうことを言うのは「台湾独立運動者」だからではないかと思うようです。なぜかと言うと、中国が戦後ずっと「台湾は中国の一部であり不可分の領土である」と宣伝しているからです。毛沢東という人は「ウソも100回言えば真実になる」という名言を残した人であり、中共はそう言い続けてきました。日本の中でも台湾は中国の一部なのではないかと思い込んでいる人が多いようです。でも今民主的になって台湾人が中国から独立したいと言うのなら応援してもいいよといった感じです。
 でも台湾は昔から一度も中国のものであったことはありません。なぜなら中国というのは大陸国家ですから海軍を持っていませんでした。彼らの敵はいつも万里の長城の西や北から攻めてくる異民族であって、彼らは台湾海峡の西にある小さな島には興味を持っていませんでした。
 清朝の時代に、それまでの明朝の遺臣、つまり鄭成功たちがあの島を本拠地にして、大陸反攻、復権を目指しました。鄭成功たちを滅ぼした後、清国は台湾を放棄したかったのですが、放棄するとまたどんな輩が基地にするか分からないということで、仕方なく福建省の植民地として管理しておくことにしたのです。決して元々中国の一部であったわけではありません。清国が支配していたという理由で、今中国のものだと言えるのであれば、日本も50年間の立派な統治をしたのですから、台湾は日本の不可分の領地であると言えることになります。

台湾人は中国人ではない
 台湾には中国からの移民が多く入っていますが、台湾人は決して中国人ではありません。例えば、台湾人の移民が始まったのは4百数十年前です。これはアメリカに移民が始まった2百数十年前より200年も古い歴史があります。

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