【特集】第31回定例シンポジウム報告「台湾の現状と日米台の安全保障」

 第1部「日台の歴史と日台関係の現状」

≪報告≫ 「ひまわり学生運動から見る:台湾が直面している課題と行方」

「ひまわり学生運動」東京代表・早稲田大学大学院生 何 時宜氏
 皆様こんにちは。本日はお招きいただきありがとうございました。私は何時宜と申します。よろしくお願いします。
 私の名前はなぜ日本語読みなのか、不思議に思う方もおられると思いますが、これには私が台湾人であるということで歴史的背景があります。私の祖母は私の名前を付けるときに日本的な名前を付けたかったようです。「トキ」という名前は大正時代に流行っていた女性の名前だそうで、私が日本に来ると友人に「トキちゃんの名前はうちのおばあちゃんの名前と一緒です」と言われたこともありました。
 私は今、日本の大学院に学ぶ学生です。本日ご出席の皆様は学生の私より遥かに人生経験豊富な方々ばかりで、大変僭越に思いますが、今日は「台湾ひまわり学生運動」の東京組織者としてその活動をご紹介しながら、今の台湾の学生は何を考えているのか、なぜ今回立ち上がったのか。その背景を説明したいと思います。
 まず、簡単な自己紹介をします。私は台湾生まれの台湾育ちで、2008年に日本に来ました。当時はリーマンショックで世界が揺れていました。なぜ日本に来たかという大きな理由は、私の祖父母が日本時代にとても日本に憧れておりまして、私に日本精神は「勤勉・真面目・我慢」だとよく教えられました。そして私も是非日本に行きたいと思い、早稲田大学という「自由な大学」に入学しました。でも……「勤勉・真面目・我慢」は本当なのかな……と思いました(笑)。とは言え、私は大学で充実した生活を送り、学び、そしてアジアの歴史と政治に関心をもつようになりました。特に日本の統治を受けた台湾と韓国は、なぜこんなにも対日感情が違うのかということに興味を持ち、大学院に進みました。大学院では日本、台湾、韓国がどうすれば理解し合えるかということを研究しています。

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