【特集】第31回定例シンポジウム報告「台湾の現状と日米台の安全保障」

 第2部「東アジアにおける日米台の安全保障問題」

≪報告≫ 「日米台安全保障協力の進むべき方向」

理事・元統合幕僚学校副校長 川村純彦
 ご紹介いただきました川村でございます。本日のテーマである日本、米国、台湾、この3つの国の安全保障協力の進むべき方向についてお話をさせていただきます。
 まず、東アジアにおける安全保障上の状況はどうなっているのか、その原因は何かということです。これはもう間違いなく国際的なルールを無視して、強引な海洋進出を謀る中国にあると思います。ではその大本にあるものは何なのか、中国は何のためにこのような行動をとっているのかということに触れまして、その後それに対応する米国及び日本の戦略はどうなのか、どういう具合になっているのか、果たして成功しているのかどうか……。
 次に、以上のように中国に対抗するための有効な戦略を考える上で大事なのが「台湾」です。台湾の戦略的価値が極めて重要です。これを抜きにしては、日本の安全保障だけではなくアジア太平洋地域の平和と安全も守れません。このことに触れまして、それでは日本と米国と台湾は今後どのように進んだらよいのか。そして、それは必要なのかどうか。それは実現可能なのかどうか。その際、日米台3ヵ国が持つべき共通の目標は何なのか。そして最後に、それぞれの国がするべきことは何か。これらのことについてお話したいと思います。

東アジアの安全保障の現状
 丁度1年前から、この東アジアに起こった様々な安全保障上の問題について少し振り返ってみますと、まず、去年の11月に中国が東シナ海に「防空識別区」の設定を勝手に宣言しました。そして12月には南シナ海で米国のイージス巡洋艦カウペンスが、中国の軍艦に航行の妨害を受けました。そして今年の3月から5月にかけて南シナ海で米国の航空機に対して中国の戦闘機が再三接近するという、非常に危険な飛行をしました。また、同じく5月に、東シナ海で中国軍機が自衛隊機に対する異常接近をしております。7月には、ハワイで米海軍が主催したリムパック環太平洋海軍共同演習が実施されました。今年は中国も初めて招待され、4隻の軍艦を派遣しました。派遣して一緒に訓練したのは良いのですが、中国はこの演習が何をやっているのか外から探るために勝手に情報収集艦を出しました。これはまるで、夕食会に招かれたゲストの家族がついてきて、そこで何を食べているのだろうと覗きに来たという感じですね。そういうことを平気でやった。中国はハワイ周辺海域、つまり米国の排他的経済水域の中でそういう行動をとった。

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