尖閣諸島付近の海域において中国漁船による領海侵犯で中国人船長が逮捕・拘置された事件は、日本側の「処分保留・釈放決定」をもって最悪の結末を迎えることになったが、それまでのプロセスにおいて露呈してきたのは、中国という正真正銘の「ならず者国家」の正体である。それは、事件発生後に中国政府が日本にたいしてとった「対抗措置」の数々を見ればよく分かる。
9月中旬以来、日本への「報復措置」として、日中間の閣僚級以上の交流と航空路線の増便を巡る政府間交渉に向けた接触が中止されたのに続いて、1000人の日本青年の上海訪問の受け入れが実現の直前になって延期されたり、SMAPの上海コンサートが事実上中止されたりした。中国からの「報復」はもはや通常の外交戦の領域を超えて、関係のない人々も無理やりに巻き込んでの「ヤクザ者の八つ当たり喧嘩」の境地に達してきている。
9月21日、ニューヨーク訪問中の温家宝首相は中国首脳としてはじめてこの件に言及した。普段では「温厚な紳士」のふりをしてニコニコと笑っているこの男は、今度はヤクザの親分が発狂したかのような激しい口調で日本側の対応を批判し、「さらなる対抗措置」をとることを宣言して日本に脅しを入れた。
一国の首脳が「さらなる対抗措置」をとることを宣言した以上、次に何が起こってくるのかと注目したところ、その2日後の9月23日、中国の新華通信社は、中国河北省石家荘市の国家安全当局が同省内の「軍事管理区域に許可なく侵入し、録画をしていた疑い」で日本人4人を取り調べていると報じた。
温家宝による「さらなる対抗措置宣言」の直後に起きたこの「事件」のタイミングからみれば、日本人4人が取り調べを受けたことは、まさに温家宝の言う「さらなる対抗措置」の一環であることは明らかであろう。つまり中国政府は、日本国家との対抗のために、普通の日本の民間人を人質にとる作戦に出たわけである。一国の政府のやることとしては、まさに卑怯・卑劣というしかないが、目的達成のために手段を選ばないというのは中国共産党政権の一環したやり方でもある。
日本のヤクザでさえ、「喧嘩するのに堅気を巻き込まないこと」を心得ているが、中国共産党政権はまさにヤクザ以下なのである。
私はかつて、中華人民共和国のことを「ならず者国家」と呼んだことがあるが、今回の件から見ても分かるように、かの国はやはり、世界史上もっとも卑劣にしてもっとも恐ろしい「ならず者国家」なのである。
このような「ならず者国家」としての軍事大国は日本の近隣にあることは、わが日本国にとっての最大の艱難と試練ではあるが、毅然たる姿勢を貫きながら防衛体制を強化していくことは、ヤクザ者に対処するための最善の方法であろう。
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