3月11日の大地震ならびに大津波でお亡くなりになった方々のご冥福を
お祈りするとともに、被災者の方々に心からの御見舞いを申し上げ、
一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 
 Ø 今の日本に必要なのは、危機のリーダーシップ                  副理事長 舛添要一


 4月5日、福島第一原発避難地域周辺の市町村を視察してきました。帰京したら、茨城県のコウナゴから規制値を超えるセシウムが検出され、漁業自粛というニュース。海洋生物のサンプリング調査を提唱してきただけに、悲しいかぎりです。
 それにしても、汚染水の海洋放棄、それについての情報伝達のあり方など、東電や政府の対応には問題が多すぎます。
 何としても、原発事故の収束を急がねばなりません。福島第一原発の問題は、今や世界の関心事となっており、地球規模の危機管理の対象です。フランスやアメリカの支援も得て、全力をあげるべきです。
 現地の視察で聞いた悲痛な声を少し紹介します。原発地域から避難してきた農家のおばあちゃん:「牛をお願いします。命よりも大事な牛を助けてあげて下さい」。4日発売の「東京スポーツ」一面に、餓死した乳牛、共食いする豚の悲惨な写真が出ていました。畜産農家は、牛乳は売れない、えさ代はかかる、搾乳は毎日せねばならない。現金収入もなく、まさに地獄です。
 それは、作った野菜などが売れない農家も同様です。今、必要なのは、補償金、交付金や補助金を前倒しして農家に配る政治決断が必要です。さもなければ、農家も家畜も生存できません。政府の英断を望みます。これは、漁をできない漁師も同様です。
 今回、各地で「初動が遅い。最初の1週間が勝負だったのに何をもたもたしていたんだ」との声が出ていました。原発事故対応にしてもしかりです。
 次に、農協で協議をしたときに、マスコミが取材にもこないと不満が出ていました。私は、避難地域沿いの原発から30q周辺を歩いたのですが、農民達が「現場を見に来て下さい」と懇願しても、被曝を恐れてか、東京の記者など「電話で済ませて下さい」というだけの冷たい対応だったといいます。危険なところでも率先して取材する記者魂はどこに行ったのでしょうか。タンクローリーなどの運転手も郡山から先へは運転しないといって、そのためガソリンなど生活必需品が入ってこない状況が生まれたのです。
 知的障害者の集団移送作戦は進めていますが、できれば福島県内陸部に早く施設を作ってあげたいと思います。県内に二つしかない施設が、いずれも海岸部で、今回の地震、原発事故に見舞われました。数億円規模の予算が何とかならないかと思います。そのようなことを盛り込んだ補正予算を早急に成立させるように、党派を超えて努力します。
 しかし、その前提として、政府民主党の幹部には、ここに記したこと、とくに被災者の悲痛な訴えくらいは理解してもらいたいと思います。大連立騒動について一言。大連立など考える時間があったら、政府民主党は、東北大震災への対応で、政権政党としての責任を果たすべきです。
 政権に就くということは、日本人の生命と財産を守り、日本国の命運に責任を持つということです。野党とて必要な協力は惜しみませんが、権力を持っていない以上、その力には限界があるし、野党の言い分を聞くも聞かぬも、民主党の自由です。たとえば、今行っている与野党協議などは、野党のガス抜きの場であり、与党の責任逃れのためのアリバイ作りの場です。その証拠に建設的な提言をしても、聞く耳を持ちません。
 要するに、ねじれ国会対策のためという発想のみで、自ら率先して、泥をかぶろうという意識などありません。菅首相は、一日でも長く権力の座にいすわることしか考えていません。そのための数合わせ要員としての野党の取り込みです。
 野党に声をかける前に、民主党内の反執行部に人材を求めるのが先ではないでしょうか。菅首相の「おともだち」だけで対応できるほど、今回の大震災の被害は甘くないのです。党内の人材の活用すら出来なくて、大連立など口にするなと言いたい。
 自民党については、政権から離れているのがそんなに淋しいのか、大臣病患者がまた蠢いてきました。大臣など、自ら求めてなるべきポストではありません。天命でなければ、優秀な人間でもそう簡単には務まらないのです。ましていわんや、今の菅内閣の閣僚においておや。
 大連立などという話は、民主党側にも自民党側にも大義名分のない、うさんくさい、浅はかな試みです。今の日本に必要なのは、危機のリーダーシップです。菅内閣と、日本も世界も心中するわけにはいかないのです。
 

 
ホームへ戻る