米大統領選の結果と今後の日米関係をどう読むべきか

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JFSS政策提言委員・筑波学院大学名誉教授 浅川公紀

大統領選の結果
 昨年11月8日に実施された2016年米大統領選挙投票の即日開票結果は、大方の予想に反して、共和党候補ドナルド・トランプ(70)が当選に必要な選挙人票270人を大幅に上回る少なくとも306人を獲得し、勝利を果たした。同時に実施された連邦議会選挙でも、共和党が予想以上に善戦し、上院は共和党52 議席、民主党46議席、無所属2議席、下院は共和党239議席、民主党194議席(未確定2 議席)となり、共和党が上下両院で過半数を維持した。これにより、2017年1月には、共和党がホワイトハウス、議会上下両院を支配する構図となる。
 選挙戦では、11の州が激戦区となり、それらの州の結果が勝敗を左右する展開になった。投票日直前の予想では激戦区でも民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が有利とされていたが、実際にはトランプがこれらの州の大半を相次いで制し、当選確定に向けて選挙人票を積み上げていった。一般投票における得票数は、トランプ、クリントンとも約6000万票だったが、クリントンの方が約200万人上回った。しかし人口が多く、従って、選挙人票が多い激戦州でトランプが勝利したため、選挙の勝敗を決する選挙人票ではトランプが勝る結果になった。
 トランプは11月11日、政権移行チームの新しい体制を発表した。マイク・ペンス次期副大統領を政権移行委員会の委員長に据えた。ペンスは議員歴もあり共和党内外に幅広い人脈を持っており、ホワイトハウスと議会との繋ぎ役を含め、次期政権で大きな役割を果たすことが予想される。
 トランプは政権移行チームを発表した際の声明で、移行委員会の目的を「変革を実現できる指導者たちを選び、最高の資質を持った集団を構成すること」であると説明した。更に、「国の再建のために急務の雇用、安全保障、機会創出を始め、米国を再び偉大にする作業に直ちに着手する」と強調した。政権移行チームの当面の課題は、次期政権の閣僚の指名と政策の洗練だ。

トランプの政策運営
 トランプが第45代大統領に当選して、様々な憶測が広がっている。大統領に就任してどのような政権運営を行い、どんな政策を打ち出すかについては、大きく2つの可能性が想定されていた。