自民党の新藤義孝、稲田朋美衆議院議員および佐藤正久参議院議員は、2011年8月1日、ソウル・金浦空港において「公共の安全を害する行動を起こす恐れがある」者として、韓国入国管理法の規定を根拠に入国を拒否された。3人の国会議員が韓国内で犯罪を行なう可能性があるかのごとき入国拒否は、外交の基本に関わる重大問題であり、日本国民の反韓感情を刺激している。
国際法上、一般に、自国民の入国は拒否できないが、外国人の入国は入国管理法に基づいて拒否できる。日本の「出入国及び難民認定法」は、上陸拒否に該当する外国人として、特定の感染症患者、貧困者、前科者、国際会議の妨害目的者、麻薬等の犯罪者、売春等の従事者、銃刀法違反者などを列挙している。諸国の入管法もほぼ同様であり、伝染病患者、貧困者、犯罪人および犯罪目的の入国者等に対し、共通して入国を拒否している。3人の国会議員は、犯罪目的の入国者と見做されたのである。
日本は、1952年4月の対日平和条約で朝鮮半島に対する権利、権原、請求権を放棄した後、1965年に日韓基本関係条約を締結し、韓国を朝鮮半島における唯一の合法的な政府として承認した。これにより日本は、北朝鮮を国家承認できなくなり、日韓両国は、友好的な基礎の下に協力親善関係を構築することを約束したのであった。しかし同条約は、1952年1月の李承晩大統領による「海洋主権宣言」以来懸案となっていた竹島の帰属問題を解決できず、「竹島問題」は日韓両国の懸案として今日に至っている。
韓国独立以来、「竹島問題」は、李承晩政権およびその後の反日教員組織による反日教育により反日愛国心の象徴と化していき、さらに金泳三大統領と盧武鉉大統領の強硬な反日政策がこれに拍車をかけた。多くの韓国国民にとって「竹島問題」は鬱積した感情のはけ口となり、韓国民のこのような厚顔無恥な行動は、日本国民の感情を逆撫でしてきた。「竹島問題」になると譲歩と配慮を繰り返してきた日本の外交姿勢もあいまって、韓国の竹島領有化は、既成事実化しつつあるといえよう。
松本外務大臣は、国会議員の入国拒否に対し、「日韓間の友好協力関係に鑑み極めて遺憾」である旨、駐日韓国大使に遺憾の意を表明した。しかし、新聞報道によると3人の国会議員は、金浦空港で8時間に渡る押し問答の挙句、入国拒否者仮留置室への移動を通告されており、この報道が事実であれば、日本国民の代表に対する韓国政府の対応は、友好関係にある国にあるまじき行為として断じざるを得ない。日本の首相をはじめ与野党は一致協力して、即座に強硬にその非を難じるべきであった。
日本政府は9日、「竹島問題」を国際司法裁判所(ICJ)に提訴を検討していることを表明。ICJは、強制裁判管轄権をもたないため、紛争当事国双方の付託合意がなければ裁判は開始されない。韓国は、国際法上、応訴するか否かを自由に決定できる。日本は、1954年9月に口上書をもってICJへの付託を韓国に提案したが、翌月に拒否されている。また1962年3月の日韓外相会談の際に再度ICJ付託を提案したが、韓国はこれに応じなかった。
韓国との一時的な対立を恐れず、「竹島問題」と正面から取り組むことを避けてはならない。ICJへの付託提案は、韓国がこれを拒否したとしても、日本が「竹島問題」を平和的に解決しようとしている意思を諸外国に示すものとして評価したい。
外交は相手があることは言うまでもない。交渉相手が自ら譲歩することはなく、交渉相手がそれぞれ国益を主張し、相互に妥協点を見出すのが外交交渉である。主権が絡む問題は、妥協点を探ることが困難である。しかし、真の日韓友好関係を構築するためには、日韓双方の喉に刺さった骨を取り除くことが不可欠であり、日韓両国の政府のみならず民間識者が智恵を出し合う時期に来ているのではないだろうか。
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