韓国慰安婦問題と日本の対応との問題点
ジャーナリスト  宇田川敬介
 突然であるが、現在、韓国軍には韓国軍の「従軍慰安所」が設置され、軍人はその慰安所に入り浸っている、という事実をご存じであろうか。南北軍事境界線の町板門店や、開城など南北の境界線沿い、その拠点から数十キロ、韓国軍のジープで、それら軍拠点から1時間くらい離れた場所に「軍人専用」の風俗店が存在しているのである。いや風俗「店」ではなく、そのような風俗店が数十店舗も集合し、その女性たちの宿舎や買い物をする、日本でいうところのコンビニエンスストアや化粧品店、薬局などが軒を連ねた風俗「村」である。
 国境を守る軍人のために、軍人が「ちょっと息抜き」の感覚で「慰安」してもらうことを目的とした「快楽村」ができているのである。
 国境の風俗村は、李氏朝鮮の頃の「妓生鎮」の時代から半島の特性である。なぜこのようなところに「快楽村」ができているのか。ここは、ほかの競争がない「独立した店舗」であることから、ソウルなどに比べて高い値段が取れる。相場は、ソウル市内の風俗店の大体1.5倍から2倍。それでも、客が絶えることはない。韓国軍の国境兵士にはそれ以外に楽しみがないからである。そのように相場が高くても「快楽村」は、まさに「軍人専用の慰安所村」であり、国境警備の兵士は、そこに入り浸ってしまい、国境警備の兵士が無人になる場合も少なくない。半島が高麗といっていた頃、国境警備の近くに「妓生村」があり、国境警備兵は、日夜その村に通った。そのために、元の侵入を防ぐことができず、高麗は滅ぼされてしまうのである。現在の韓国軍は、そのような歴史に学ぶこともなく、「モラル」が低下しているのである。
 私は個人的には、韓国のこれらの「半島文化」とそれがいまだに息づいているこれらの環境を見て、「従軍慰安婦」は、そもそも、日韓併合によって韓国軍の悪癖を日本が受け入れてしまったのではないかと思っているほどだ。
 逆に、このような国が、日本に対して「慰安婦」を語っているのである。
 当然に日本においては違和感がある。しかし、違和感があるということを以て、思考を停止してはならないのである。
 このことについて、韓国の新聞の論説委員と話をした。現在の慰安婦問題についてさまざまな話をし、とこどころ「都合の良いことを言っているなあ」と思いながらも、一応、日韓関係の慰安婦問題において「何が問題なのか」「どこに問題の焦点があるのか」ということがある程度分かる会話をする。そのうえで、韓国人が「慰安婦」についてどう考えているのか、ということを考えなければならない。韓国人について「慰安婦」という単語はどのような意味を持つのか。
 「宇田川さん、それならば、韓国人が慰安婦をどのように考えているか見に行ってみましょうか。」
 彼は、先頭に立って夜の街に立った。そして、クラブの扉を開けると日本語でひとこと「慰安婦ください!」と叫んだのである。
 日本人で、慰安婦問題そのものを問題視している人でも、なかなか、韓国国内で「慰安婦ください!」と言う人はいない。そもそも、私が彼らとこのような話をすること自体「駐在員でもなく、わざわざ日本からきて、そのような話を本音でする人、また、韓国人の言い分を聞きに来る人はほとんどいない」と言う。もちろん、「無条件でそのような話をのむ」つもりなどはないが、交渉の第一歩は、こちらか相手側か、どちらかが主張をすることがなければ始まらない。しかし、お互いにインターネットやマスコミ上で騒いでいるだけで、実際に韓国に乗り込んで議論を吹っ掛ける人はあまりいないのである。
 そのうえで、彼は私のその「無謀」に敬意を払い、韓国人にとって慰安婦とは何か?を、身を持って教えてくれたのである。
 さて「慰安婦ください!」と言うとどうなるのか。もちろん、相手が「日本語の話せるホステスのいるクラブ」という前提であり韓国語しか話せない場所では、何の意味もない。
 「いらっしゃいませ。慰安婦ですか?たくさんいますよ。」
 意に反して、その店のママと思われる女性は、私たちを店の中に招き入れて、ホステスを紹介する
 「どの娘も慰安婦でお持ち帰り大丈夫ですよ。」
 これが韓国の「慰安婦」の実態だ。
 様々あるは、「慰安婦」は、人権問題ではなく「単なる売春婦」として「金を稼ぐ手段」でしかない。「現代の慰安婦」は「売春婦」として存在しており、「昔の慰安婦」は「賠償金を稼ぐ」手段となってしまっている。日本人は、この現実の対応を見ることなく、「人権派」といわれる人々の議論に引きずられる形で世論を形成してしまっている。まさに「金を稼ぐための手段」と「かわいそうという人権問題」ではそもそもの話がかみ合うはずがない。
 さて、韓国の新聞の論説委員との話の中で「慰安婦」について「日本の報道がおかしい」という話になった。6月6日に上梓する「知日派韓国人の言い分」(飛鳥新社)の中にも書いてあるのであるが、そもそも「慰安婦」を作り出したのも、また「セックス・スレイブ」というありがたくない単語を国連用語にしてしまったのも、また、単なる売春婦を「性の奴隷」と報道したのも、いずれも日本の言論機関であり、日本人が日本人を苦しめていることに変わりはない。
 同時に、現在至る所に設置されている慰安婦像も、多くは「日系」と言われる人々が行っている部分が多い。もちろん韓国人によるこれらの所業の肩を持つわけではないが、一方で、韓国人は日本国内の言論の、自分たちに都合の良い部分を使っているということが言える。ということは、韓国人は日本人の反日の行動に「乗っかっている」だけでしかないのである。
 そもそも、よく言われるように「韓国人にノーベル化学賞受賞者がいない」というように、実際に、韓国の人々が自分のオリジナルとして物事を考える力は高いとは言えない。基本的に、韓国人の「反日」は、どこかに韓国人のオリジナリティとして、その事例や真似をするための指導者がいるはず。それが日本のマスコミや人権派ではなかろうか。少なくとも、インタビューにおいて、韓国の大手新聞社の論説委員や韓国の高級官僚がそのような発言をしていることは事実である。
 慰安婦問題など個別の問題を何とかしなければならない。しかし、それらを含めて、問題の解決は「相手」と「自分」をよく知る事、つまり韓国の国民性やその内情だけでなく、日本の国民性や反日の実態などをしっかりと認識し、それらを解決することを考えるべきなのかもしれない。

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