8回「中国事情研究会」
  政策提言委員 野口東秀

  中国の海洋覇権の歴史を見ると、中ソ蜜月時代に毛沢東が海洋での生存を考えた時代にさかのぼる。英国の事例と重ねると、シーパワーの追求では「生産・通商」「海運」「植民地(政治・経済・軍事の拠点)」、これらに「海軍力」を重ねたのが、現在の中国の姿である。中国は「真珠の首飾り戦略」等地球規模で拠点を確保しようとしている。
 将来的には、@インド洋A日本海、北太平洋、北極海―への進出が予想されるところだ。中国の究極的な目標は海洋覇権の確立にほかならない。
 元防衛省首脳だった金田氏の指摘のポイントは、海洋覇権の確立を中国が明確化していることを認識すべきだという点にある。
 先日、カート・キャンベル(前米国務次官補)の講演や米国元海兵隊幹部らによるセミナーなどに出席した。
 金田氏の指摘を含め、見えてくるのは、日本の防衛力、特に陸海空統合運営能力と作戦のデータリンクの早急な構築の必要性だ。「南西諸島は現在は空(防衛力の欠如)の状態だ」という元海兵隊幹部の警告を深刻に受け止めるべきだろう。
 海洋覇権の確立を目指す中国をキャンベル氏の言うように国際社会に『取り込む』戦略は必要だが、今の時代は平時・有事の概念が崩れた時代である。
 日本は現在の安全保障環境に合致した防衛法制の整備が求められる。

                                          記

 テーマ: 「海洋覇権を追求する中国」
   講 師:  金田秀昭氏 (JFSS政策提言委員・岡崎研究所理事)
 
  日 時:   平成25年9月30日() 13:30〜15:00




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2013年

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