歴史は語る経済安全保障-先人は何を護ってきたのか-

著 者:平井宏治
出版社:ワニブックス
発売日:2026年10月27日
定 価:本体1,870円(税込)
 
 
経済そのものが、国家を守る「武器」になる時代――。
食料、燃料、医薬品、弾薬、レアアース、半導体、AI。国の生命線を外国に委ねたままで、日本は生き残れるのか。
 
「必要なものは、安い国から買えばよい」
「企業が自由に判断すればよい」
「自由貿易を進めれば、国は豊かになる」
 
その常識は、いま大きく揺らいでいる。
 
中国は、先端技術、企業、人材、資源、市場、製造能力を国家戦略のもとに結びつけ、経済力を外交・安全保障の手段として活用している。一方、日本では、生産拠点や技術が海外へ流出し、暮らしと安全に欠かせない物資まで外国に依存する構造が進んできた。
 
企業にとって合理的な選択が、必ずしも国家にとって最善とは限らない。
いま求められているのは、「何を海外から調達し、何を国内に残すのか」「どの技術と人材を守るのか」を、国益の視点から問い直すことである。
 
経済安全保障研究の第一人者・平井宏治が、その答えを歴史のなかに探る。
 
真珠湾攻撃と石油、秦の始皇帝を支えた食料輸送路、白村江の敗戦後に整備された防人・水城・通信網、江戸幕府の「管理された開国」、佐賀藩による大砲の国産化、ヴェネチア共和国が守ったガラス職人、古代オリエントの戦車技術、カルタゴを滅亡へ導いた選択――。
 
国家は古来、食料や資源を確保し、先端技術と技術者を守り、交易を管理しながら生存を図ってきた。経済安全保障は、決して新しい概念ではない。国家が生き残るために必要なことは、昔も今も変わらないのである。
 
本書は、歴史を振り返るだけの本ではない。過去の国家の成功と失敗を手がかりに、現代日本が直面する課題を読み解く一冊だ。