切羽詰まってしまった日本共産

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政策提言委員・元参議院議員 筆坂秀世

 最近の日本共産党を見ていると切羽詰まってしまったと思えてならない。切羽とは日本刀の鍔(つば。柄や鞘に接する部分)の両面に添える薄い楕円形の金物のことで、これが詰まると刀が抜けなくなる。そこで窮地に追い詰められた時に切羽が詰まると、逃げることも刀を抜くことも出来なくなるため、為す術が無くなることを「切羽詰まる」と言うようになったそうだ。正にこの状態が日本共産党の現状なのだ。
 
前代未聞の中央委員会総会延期
 共産党は、5月2日に第8回中央委員会総会を同月21日と22日の2日間の日程で行なうと発表していた。他党と違って共産党というのは中央委員会総会を非常に重視している。中国共産党の場合であれば、中央委員会全体会議と呼ばれ「○中全会」などと略されて報道されている。日本共産党の場合は「○中総」と略されている。○は何回目ということであり、その数字が入る。
 この○の数字は、党大会ごとに「1」から付けていく。延期になった第8回というのは、第28回党大会以降の8回目の中央委員会総会ということである。
 共産党にとって党の最高機関は党大会とされており、日本共産党は党規約でその党大会を2年か3年に1回開くことにしている。同様に、中国共産党の場合は5年に1回とされている。日本共産党の場合だと、全国から約千人の代議員を招集して、数日間の日程で行なうので3ヵ月前にはそのことを党員に周知する。また決議案等の準備は勿論、宿舎の確保などの準備も大がかりなものとなる。
 この党大会と党大会の間を取り仕切るのが中央委員会であり、その総会での決定なのである。この総会は年に2回以上開くことになっている。通常は20日程前には招集連絡がなされる。
 私は40年近く共産党に在籍していたが、記憶に残る限り中央委員会総会が延期された事例を知らない。5月13日付赤旗電子版には、延期理由として「国会日程との関係で開催が困難となったことから、日程を延期することを発表しました。延期の時期は、主要7ヵ国首脳会議後の政治情勢の展開も見極めて、6月中旬以降の適切な時期に再度招集します」となっている。
 全く延期の理由になっていない。この間に、国会日程に大きな変更があったわけではない。殆ど想定通りに動いていた。G7など昨年からその日程は決まっていた。G7にウクライナのゼレンスキー大統領が参加するという出来事もあったが、日本共産党の政治日程とはいささかも関わりない。
 10日程度の先のことも見通せないというわけではあるまい。