「国土交通大臣」役を務め、台湾有事を警戒し、
リスクを軽減するために具体的に検討したいこと

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顧問・参議院議員 有村治子

 まずもって、私達議会人の想像を遥かに超える多くの方々の志や専門性、人的・技術的ネットワーク、善意があって、このシミュレーションが成り立っている現実をかみしめ、ご貢献を頂きました各位のご芳情に対し、衷心より御礼を申し上げます。
 7月15・16日に行われた日本戦略研究フォーラム主催の台湾海峡危機政策シミュレーションにおいて、私は国土交通大臣役を担当致しました。有事、国家国民の生存と安全をかけ、矢継ぎ早に重大な決断を下し、後世歴史の審判を受けることになる総理大臣や各閣僚が、現下の国際情勢や法体系・変わりゆく世論に向き合う中で、いかなる苦悩に直面し、それをどう乗り越えようとするのか――敢えて負荷のかかるシナリオに身を置き、丸2日間閣僚になりきる重い疑似体験を通して課題を炙り出し、願わくば日本の危機管理能力を高めるための具体的提言をするのが務めだと自らに言い聞かせます。
 両日の本番に先駆け、シナリオを読み込み、関連法制等の理解を深める事前準備・事後考察も含めれば私自身にとっても、数十時間に及ぶ「苦行」であり、誠に考えさせられることの多い訓練でした。