第3回台湾海峡危機政策シミュレーションを終えて

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衆議院議員 大塚 拓

 昨年に続き、JFSSの第3回台湾海峡危機政策シミュレーションに参加させていただきました。昨年は防衛大臣役を務め、我が国政府部内で生じる様々な課題を体感することができましたが、2度目の参加となる本年は、米国防長官役として、米国の立場から見た俯瞰的な状況認識や、日米同盟の抱える課題について理解を深めることができました。また、戦略3文書の改定を踏まえた本年のシナリオでは、改定前の昨年に比して日本の対応能力が格段に増したとはいえ、依然として事態認定などを巡り、様々な課題が残されていることが再確認されました。
 以下、シミュレーションを通じて、主に米側の視点から、課題を認識した局面を列記します。
 
米軍事前配備部隊の展開
 事態が急展開する中で、米軍が日米安保条約第6条に基づき日本の施設の使用を求め、事前配備部隊の展開を図ろうとする場面がありましたが、日本側の態度は慎重であり、段階的な事態認定を選択、事前協議も曖昧な位置づけのまま進行しました。有事の緊迫した状況下で同盟国としてタイムリーな行動がとれるのか、不安が残りました。
 セレベス海の海上交通保護エネルギーの迂回ルートとして民間船舶がセレベス海を通行するに際し、海賊対処で用いられた有志連合による民間船舶護衛(CTF-151方式)を実施、日本が主導することとなりました。