鍵となる国内世論
―経済面の分析を深め、戦略的コミュニケーションの進展を―

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衆議院議員 尾﨑正直

 昨年のオブザーバー参加に続き、今年の「第3回台湾海峡危機政策シミュレーション」では、初日は財務大臣役として、2日目は官房副長官役(戦略的コミュニケーション(SC)担当)として参加させていただいた。事前勉強では、特に小野寺総理、長島官房長官、尾上元空将、財務省OB(匿名)の皆様には密にご指導いただき、心から御礼申し上げる。
 戦略3文書の効果検証を主目的とした今年は、昨年は十分対応できないとされたSCやアクティブ・サイバー・ディフェンス(ACD)も可能となり、無念が晴らされた思いであった。反撃能力行使により中国からの飽和攻撃に対抗し、戦局を有利に導くとの成果もあった。ミサイルの量的制約や誤射によるエスカレーションの懸念から、米国から日本単独での行使を一時制約されたことには困惑したが、2027年段階のものとして現実的な検証がなされたと言えよう。
 今年はさらに、経済、財政金融面での検証も強化された。半導体、LNGの供給途絶等、経済安保面の検討が深められ、加えて、私達財務大臣グループ(私(初日)、神田潤一衆議院議員(2日目)、財務省OB有識者)からは財政金融面の以下3点を柱とするシナリオを予め提案させていただいた。これらは、時々の状況にもよるが、起こり得る重要な事態であり、今回のシミュレーションでも検証を要すると考えた次第である。