消えゆく言論の自由

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日本近現代史研究家 渡辺惣樹

 筆者は昨年3 月から自身のYOUTUBEチャンネル(そうきチャンネル)を立ち上げた。1 年で登録者は2 万人を超えたが、収入にはならない。リサーチ・原稿準備・編集コストなど考えれば金銭的メリットはない。

  そうでありながら何故面倒なチャンネルを立ち上げたのか。所謂「保守系」と言われるYOUTUBER の言説に疑問を持っているからだ。中には「余りにいい加減ではないか」と思える「解説」もある。いい加減さの具体例を出したいが、本稿の主題ではないので深入りしない。読者にはそんな「保守系」YOUTUBERの顔が何人か浮かぶであろう。

 「そうきチャンネル」の立ち上げは、「消えゆく言論の自由」を身に染みて感じさせた。とにかく規制ばかりなのだ。

  特に酷いのがコロナワクチンに関わる情報である。これについては読者も驚くような事態が世界中で起きている。その内容は後述するが、「そうきチャンネル」で扱うことは難しい。たちまちバン(チャンネル閉鎖)が待っている。バンまでいかなくても、広告制限となり少ない広告収入がゼロとなる。

  ワクチン関連情報が検閲されていることについては本誌読者もうすうすは気付いておられると思うが、もう1 つ厳しく規制されている情報がある。

  EU・NATO 批判である。EU の全体主義的官僚主義批判、NATO の野放図な東方拡大と際限なきウクライナ支援批判。それらは御法度である。取り分けEU 全体主義化の権化であるEU 委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンを批判しようものなら忽ち動画削除となる。

  EU 批判とワクチン問題を組み合わせたら、チャンネル閉鎖もあり得る。

  フォン・デア・ライエン委員長はファイザー社CEO アルバート・ブーラとの直接交渉でEU 人口1 人当たり10 回分のワクチン購入を独断で決めていた。これについてEU で監査(調査)が始まっている。私のチャンネルではこのことに触れられない。