石破茂首相は2024年11月29日、就任後の所信表明演説で重要政策の第1に「外交・安全保障上の課題への対応」を掲げた。国内外に多くの課題が存在する中で、以下のような国際情勢認識のもとで外交・安全保障政策を最優先する姿勢を示したのだ。
「ロシアによるウクライナ侵略は今も続き、北朝鮮の兵士がウクライナに対する戦闘に参加しています。中東地域で続く報復の応酬は未だに終わりが見えません。我が国周辺に目を転じれば、今年後半だけを見ても、中国、ロシアの軍用機が我が国領空を相次いで侵犯したほか、中国空母が我が国領海に近接する海域を航行しました。戦闘機を含む中国空母2隻の艦載機は約1,200 回に及ぶ発着艦を太平洋で行いました。ロシアの哨戒機は我が国を周回する飛行を行いました。北朝鮮は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級を含め、近年かつてない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。」