トランプ大統領が目指す国際秩序とは何かという問いは、現在世界中で議論されているものであります。秩序の問題を考察する上で、トランプ大統領が主張する内容を見ると、実は彼が継続して主張しているポイントが2 つあります。それは「民主主義の制度疲労」と「国連の制度疲労」です。
まず第1の点ですが、そもそも民主主義は多数による専制という側面があることを思い出す必要があります。つまり、人口が多ければ社会で主張が通りやすい特徴があるということです。大きな声に従えば、それぞれの国の中で貧富の差も広がり、階層が固定される。民主主義には、政治学的に大きな欠点が存在します。
移民問題を考える時に、トランプ大統領が不法移民を嫌うには大きな理由があります。