去る5月初め、パハルガム事件への報復として、インド軍がパキスタンを空爆し、多数の死者を出す事態に発展した。パハルガム事件とは4 月22日にインド側が実効支配するカシミール州のパハルガム地区でパキスタン側から越境してきたとみられるテロリストによって外国人を含む26人の観光客が殺害された事件である。殺害の対象となったのはヒンドゥー教徒であることを特定された男子のみだった(コーランの一節を暗唱できた者はイスラム教徒として助命された)ことから、インド国内世論が激越に反発し、インド政府も「テロリストを成敗する」としてパキスタン側のテロリスト拠点とされる数か所に軍事攻撃を加えることとなった。