朝鮮半島は古くから中国の影響を強く受けており、冊さくほう封関係を結びながら政治的・文化的な交流を続けてきた。この冊封関係とは、中国の歴代王朝が周辺諸国に対して行った外交制度であり、冊封体制とも呼ばれている。これは中国の皇帝が他国の君主を「臣下」として認め、その代わりに君主が朝貢する関係だ。形式的には君臣関係だが、実際には冊封国の自治が認められることが多く、必ずしも中国の直接支配下に置かれるわけではない。この制度は中国を文明の中心とし、周辺国を夷狄と見做す思想、所謂「華夷思想」に基づいており、中国皇帝の徳の高さを示すものとされ、冊封国にとっては中国との貿易が許可されるなどのメリットもあった。
清朝時代には李氏朝鮮は中国の属国としての立場を維持していたが、1894年の日清戦争後に独立を果たした。