2025年5月3日、中国海上警備局の巡視船搭載ヘリコプターが尖閣諸島の領空を侵犯した。これに対し、我が国は航空自衛隊南西航空方面隊のF-15戦闘機を緊急発進させて対処を実施するとともに、中国政府に対して外交当局より抗議を行った。これに対する中国側の公式発言は「尖閣諸島の空域に接近する日本の民間機に艦載ヘリで対処した」、所謂スクランブルにより領空侵犯対処を実施したというのである。中国はこれまで尖閣諸島周辺での海上における公船の活動を活発化させてきたが、空の領域でも法執行活動を行おうとしたことは、我が国の主権に対する侵害が海上だけではなく空の領域に広がったことを意味する。