総務大臣役を担当し痛感した残された課題

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政策提言委員・衆議院議員 細野豪志

 本年の台湾海峡危機政策シミュレーションはシナリオの精緻さにおいて過去2 回と比較にならないハイレベルなものとなった。台湾海峡危機を想定した時に総務大臣が果たすべき役割は2つ。第1にフェイクニュース及びサイバー戦への対応、第2に先島諸島をはじめとした住民避難である。その役を担った者として今後の課題を整理してみたい。
 
1. フェイクニュース及びサイバー戦への対応
 設定された3つ全てのシナリオにおいてSNSにおけるフェイクニュースが拡散された。政府は内閣官房に新たに設置された「戦略的コミュニケーション室」において対応することとなったが、発信すべき情報の中身、具体的な発信方法は手探りのままであった。