1 はじめに
令和5年7月15日(土)~16日(日)、JFSS 主催の第3 回台湾海峡危機政策シミュレーションに参加する機会を得た。筆者にとって第1回から3 年連続の参加であったが、終了後の充実感・達成感は前の2回に較べて遥かに大きなものであった。台湾海峡有事を対象とする事態こそ共通であるものの、シナリオも年々精緻、かつリアルになっており、参加プレイヤーも実務に関わってきた元事務次官クラスや安全保障に詳しい政治家の方々が増え、年々充実してきている。模擬する意志決定の場も、国家安全保障会議(NSC)9 大臣会合を中心に関係国、関係省庁等との協議・調整の場も設けられるなど極めてリアルな場の設定の中で、論点を絞った重要なテーマに真摯に向き合い、活発な議論が時間を忘れるほど熱心に交わされ、極めて有意義であったことを実感したからでもある。