高市早苗政権の展望と課題
―日本保守体制の再編と台湾安全環境の再定位―

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元中華民国空軍中佐 曾俊凱

概要
 本稿は、石破茂の短命政権から高市早苗の登場に至る自民党保守政治の変遷を論じ、これを「改革への焦燥」から「管理型安定」への転換点と位置づける。石破政権の崩壊は失敗ではなく、旧秩序の自己修復過程であった。一方、高市早苗の台頭は「危機管理型保守主義」の確立を意味し、「安定」を新たな価値として再定義した。機能不全の改革路線と低迷する民意の狭間で、自民党がいかに統治の正当性を再構築し、新モデルを形成したかを考察する。
 キーワード:日本政治、保守主義、高市早苗、派閥政治、危機管理、現実主義、日台中関係。
一、自民党再編の現実政治:石破過渡政権から高市体制への連続と転換
㈠ 石破過渡政権の本質―制度惰性が示した限界と教訓
 石破茂の辞任は突然に見えるが、実際には自民党が長年抱えてきた構造的不均衡の必然的帰結であった。