米国の首都ワシントンにいて、この課題を考察すると、国際秩序の「崩壊」よりも、寧ろ「再建」という表現がより適切に思えてくる。何故ならいまの世界を揺るがす各地での紛争や動乱は米国主体の自由民主主義陣営による秩序の再確立の努力に見えるからだ。
崩壊なのか、再建なのか
その秩序再確立の動きの先頭に立つのはやはりドナルド・トランプ大統領の統治下の米国である。
だがその一方、トランプ大統領が既存の国際秩序を壊しているとする主張は肝心の米国でも、我が日本でも少なくない。
しかしトランプ大統領が初登場してきた2017年1 月頃からの国際情勢を流れとしてみると、同大統領の大胆な政策はそれまでの世界の秩序の衰退や崩壊への反応であるという構図が浮かび上がる。崩壊のような状態という原因に対しての対応という結果がいまのトランプ大戦略だと言えるのだ。
まずトランプ氏が2期目の大統領としてホワイトハウスに入った2025年1月の時点での世界情勢を再考察しよう。トランプ大統領の目前には国際秩序をぼろぼろにしたような動乱や混乱、変動がいくつか展開していた。その種の動乱への対処はまず新たな国際秩序の構築よりも、従来の国際秩序の再建とか修復が主体となった。