エピソードで辿る 「インド・イスラム時代」

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顧問・アジア文化フォーラム理事長 坂場三男

 再びインドを訪れた。去る1月末のことである。前回の訪問は昨年の2月だから1年に2 度ということになる。訪問地は2度ともラジャスタン州で、前回はジャイプル(首都ニューデリーの南260km)、今回はウダイプル(同580km)という中世ラージプート時代の古都が所在した街である。今秋にはジョードプル(同南西500km)行きを計画している。
 ラジャスタン州は首都ニューデリーの南西部一帯に広がるインド最大の州でその面積はほぼ日本の面積に匹敵する。人口は7,000万人で、北部は平地だが、南に行くにつれてデカン高原へと続く丘陵・山岳地帯になる。
 ラージプートというのはカーストとしては「クシャトリヤ」(ヒンドゥーの王侯・武人階級)に属する武人集団のことで、その起源は古く、8世紀頃までに形成された集団ではないかという。彼らは日本の戦国時代の武将(戦国大名)のように各地に大小さまざまな領国や王国を樹立して割拠し、互いに富と領土をめぐって争い合った。