国家戦略の対米依存という宿痾
いかにして我が国の自由と独立を守り抜くか。この根源的な問いに真正面から向き合い、高市早苗政権は、国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛計画の大綱、いわゆる安保三文書の前倒し改定作業に着手した。
国家安全保障戦略とは、いかなる国益を守るため、誰を同志とし、誰を中立に留め、誰との対峙に備えるか——国家の目指すべき方向と生存の在り方を根本から規定するものに他ならない。現代の国家戦略論においては、「DIME」という概念が広く用いられている。Diplomacy(外交)・Intelligence(インテリジェンス)・Military(軍事)・Economy(経済)の四要素を有機的かつ統合的に活用してこそ、国家の意思が十全に発揮される。
しかしながら実のところ、戦後の日本にはこの「DIME」的な統合国家安全保障戦略が存在しなかった。先の大戦の敗北とともに、陸海軍のみならず対外インテリジェンス機関もすべて解体された。