中国最前線にある日本の覚悟

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産経新聞客員論説委員 湯浅博

 過去30年を振り返ると、パワー優位のアメリカが主導する「ポスト冷戦期」は比較的安定的な世界だった。しかし、不変かと思われた冷戦後の世界が変調をきたし、「国際無秩序の時代」が到来しているとの観測が強い。国連常任理事国(P5)のうち、ロシアがウクライナを侵略し、アメリカがイランを攻撃し、中国が南シナ海で8つの人工島を占有した上、台湾併呑を狙う。国際秩序を支えるP5の中核3大国が国際規範を踏みにじれば、多国間システムの分裂か、または崩壊への道に踏み込むリスクが増えてくる。
 中国の習近平国家主席が好んで使うフレーズは、「100年に1度も見たこともない変革期」の到来である。習氏が認識する世界は、アメリカの時代から次の時代への混乱期を迎え、場合によっては暴力的な移行があり得ることを予見している。習氏は2012年に政権トップの座を射止めて以来、アメリカを凌駕することを目標とする「現代化強国」を目指してきた。台頭する中国がアジアの覇権国になるかは、国力の増大と野心的な決意を考えれば可能性が高くなってくる(Bloomberg Opinion,5/21/2026)。