経済安全保障における基幹インフラ制度の対象になる医療機関と医療DX

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政策提言委員・金沢工業大学特任教授 藤谷昌敏

 政府は経済安全保障推進法に基づき、企業の設備導入を事前審査する基幹インフラ制度を巡り、医療を追加する検討に入った(法改正:2026年6月10日成立)。相手のサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入を見据え、当初は2025年夏を目途に結論を出すとしていた。
 だが、医療機関は既存の基幹インフラ事業者より規模が小さく、ICT人材・予算が不足しており、どの病院を対象にするか(特定機能病院だけか、地域中核病院も含むか)で影響が大きい。また特定重要設備(電子カルテ共有、電子処方箋、オンライン資格確認など)の範囲をどこまで含めるかなど精査している。要するに、現在は、制度を適用すると医療機関の負担が大きくなるため、慎重に対象範囲を決めているという状況だ。そのため、2026~2027年中には制度設計が可能となり、正式に追加されるだろう。