エネルギーと食糧と情報を制するものは世界を制す
―情報地政学の確立を―

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研究員 橋本量則

はじめに
 厳しい生存競争が繰り広げられる世界で生き抜くには、地政学が重要である。各国の政治家や軍人は、若い頃から地政学を学び、それに基づいて世界を眺め、戦略を立てることに慣れているからである。つまり地政学は世界の指導者たちが影ながら共有している「Discipline」(教練)と言えよう。地政学は絶対的な「真理」とは言えないが、これを身につけることなしに彼らと互角に渡り合うことは難しい。
 筆者がキングス・カレッジ・ロンドンで国際安全保障を学んでいた時に、国際政治学の教授が「政治学や歴史学はDisciplineである」と言っていたのをよく思い出す。政治学や歴史学は、たった1つの「真理」を論理的思考によって見つけ出す「科学」などではなく、状況や立場によって変わってくる「最適解」を探すための「理念」「思考法」「術(すべ)」などを研究する科目である。それは決して万能ではない。従って、地政学も万能ではなく、それを学んだ政治家、軍人たちの資質や能力によっても導き出される結果は自ずと変わってくる。