ロシアのプーチン大統領が8月13日、北方領土の択捉島を電撃訪問したことは、1945年の旧ソ連による北方領土占領後、最高指導者の初の視察であり、日露関係の一線を越えた。2010年にメドベージェフ大統領(当時)が国後島を訪問したが、プーチン氏は長年訪問しなかったことから、プーチン氏は日露平和条約締結に前向きといったナイーブな期待が日本側にあっただけに、裏切られた形だ。
日露関係は2022年のロシア軍のウクライナ侵攻後、双方の制裁合戦で冷戦後最悪の状況に陥ったが、これでプーチン政権との領土交渉は事実上不可能となった。では、今回の視察の背景に何があったのか、日本は今後どう対応すべきかを探った。
選挙対策で極東シベリア優先
プーチン氏の視察はある程度予想され、サプライズではなかった。プーチン氏は2024年1月、極東のハバロフスクで、北方領土を訪れないのかとの記者の質問に対し、「ユニークな所と聞いており、必ず訪問する」と述べていた。有言実行をモットーとするだけに、視察は既定方針だった。